過労死防止基本法とは
過労死等防止基本法案(野党6党提出)
過労死防止基本法案(実行委員会作成)
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過労死防止基本法案(実行委員会作成)

過労死問題に取り組む弁護士が作っている「過労死弁護団全国連絡会議」は、他の様々な「基本法」などを参考にして、「過労死防止基本法(案)」を自ら作成し、発表しています。
あくまで同連絡会議の「たたき台」であり、正式な法案ではありません。
これを参考にして、よい法案ができていくことを期待します。

 

◇過労死防止基本法案(実行委員会作成)

                                            2013年4月16日
                     ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会


第1章 総則                         

(目的)
第1条 この法律は、近年、我が国において勤労者が業務による過労・ストレスが原因の一つとなって脳・心臓疾患や精神障害を発症して死亡する過労死が多発していること、まじめで誠実な勤労者が過労死で命を落とすことは遺された家族にとっても、その勤労者を使用する使用者にとっても大きな損失であることにかんがみ、過労死の防止に関する基本理念を定め、国及び地方公共団体並びに使用者等の責務を明らかにするとともに、過労死対策の基本となる事項を定めることにより、過労死防止対策を総合的に推進し、あわせて過労死のおそれがある勤労者とその親族等に対する支援の充実を図り、もって仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)
第2条 この法律において「勤労者」とは、労働基準法の定める労働者、家内労働法に規定する家内労働者、労働者災害補償保険法に基づき特別加入をし得る中小事業主や一人親方等のほか、広く自らの勤労によって生計を立てる者をいう。
 2 この法律において「使用者」とは、労働基準法の定める使用者、家内労働法に規定する委託者のほか、広く勤労者を使用して事業を行う者をいう。
 3 この法律において「過労死」とは、勤労者の従事する業務による過労・ストレスが原因の一つとなって脳・心臓疾患や精神障害を発症して死亡することをいう。

(基本理念)
第3条 過労死は、あってはならない。
 2 過労死防止対策は、業務による過労・ストレスやハラスメントが過労死を招くことにかんがみ、これらが勤労者の心身に与える影響や、ワーク・ライフ・バランスに関する調査研究も踏まえて実施されなければならない。
 3 過労死防止対策は、国、地方公共団体、使用者、使用者団体、医療機関、過労死防止等に関する活動を行う民間の団体その他関係する者の相互の密接な連携の下に実施されなければならない。

(国の責務)
第4条 国は、前条の基本理念にのっとり、過労死防止対策を総合的に策定し、実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第5条 地方公共団体は、第3条の基本理念にのっとり、過労死防止対策について、国と協力しつつ、当該地域の勤労状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有する。

(使用者の責務)
第6条 使用者は、第3条の基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が実施する過労死防止対策に協力するとともに、その雇用する勤労者が過労やストレス、ハラスメント等によって心身の健康を損なうことがないよう必要な措置を講ずる責務を有する。

(使用者団体の責務)
第7条 使用者団体は、第3条の基本理念にのっとり、使用者の自主的な取組を尊重しつつ、勤労者の生命・健康の維持・向上を図るための自主的な活動に努めるものとする。

(過労死防止対策啓発週間)
第8条 国民の問に広く過労死防止についての関心と認識を深めるため、過労死防止対策啓発週間を設ける。
 2 過労死防止対策啓発週間は、毎年11月16日から同月23日までの1週間とする。
 3 国及び地方公共団体は、過労死防止対策啓発週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。

(過労死防止対策基本計画)
第9条 政府は、過労死防止対策の計画的な推進を図るため、過労死防止対策の推進に関する基本的な計画(以下「過労死防止対策基本計画」という。)を定めなければならない。
 2 過労死防止対策基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 長期的に講ずべき過労死防止対策
二 前号に掲げるもののほか、過労死防止対策の計画的な推進を図るために必要な事項
 3 内閣総理大臣は、過労死防止対策基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
 4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、過労死防止対策基本計画を公表しなければならない。
 5 前二項の規定は、過労死防止対策基本計画の変更について準用する。

(法制上の措置等)
第10条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。
 2 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な財政上の措置を講じなければならない。

(年次報告)
第11条 政府は、毎年、国会に、我が国における過労死発生の概要及び原因並びに政府が講じた過労死防止対策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。


第2章 基本的施策                      

(調査研究の推進等)
第12条 国は、過労死の防止に関し、調査研究を推進し、並びに情報の収集・整理・分析及び提供を行うものとする。
 2 国は、前項の施策の効果的かつ効率的な実施に資するための体制の整備を行うものとする。

(理解の増進)
第13条 国は、広報活動等を通じて、過労死の防止等に関する使用者及び勤労者の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。

(医療提供体制の整備)
第14条 国は、過労死のおそれがある勤労者に対し必要な医療が早期かつ適切に提供されるよう、必要な施策を講ずるものとする。

(勤労者及びその親族等に対する支援)
第15条 国は、過労死のおそれがある勤労者が過労死に至ることのないよう、当該勤労者及びその親族等に対する適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。


第2章 過労死防止総合対策会議                

(設置及び所掌事務)
第16条 内閣府に、特別の機関として、過労死防止総合対策会議(以下「会議」という。)を置く。
 2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 過労死防止対策基本計画の案を作成すること。
二 過労死防止対策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。
三 前二号に掲げるもののほか、過労死防止対策に関する重要事項について審議し、過労死防止対策の実施を推進すること。

(組織等)
第17条 会議は、会長及び委員をもって組織する。
 2 会長は、内閣官房長官をもって充てる。
 3 委員は、厚生労働大臣、厚生労働副大臣、同政務官、その他内閣官房長官が指定する者をもって充てる。その他内閣官房長官が指定する者については、勤労者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者のうちから、内閣官房長官が各1名を任命しなければならない。
 4 会議に、幹事を置く。
 5 幹事は、関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
 6 幹事は、会議の所掌事務について、会長及び委員を助ける。
 7 前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

附則                            

(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。